コロナ禍で変わる生活習慣。建物の健康寿命を見直そう!
長く続くコロナ禍の影響で、リモートワークを始めとした在宅時間の長時間化が目立ってきています。入居者の生活習慣が変わることで、賃貸経営で気にするべきポイントも変わってきます。物件自体も、10年、20年と築年数を重ねていきます。長く賃貸経営を続けるために、今一度建物の健康に目を向けていきましょう。今回はコロナ禍で今一度見直したい、建物の健康寿命についてお伝えします。
耐用年数で見る、建物の健康寿命
壁紙、洗面台、エアコン、などは入居者はもちろん、オーナー、管理会社にも目につきやすい設備です。人の健康に例えれば、髪形や肌質、と言ったところでしょうか。もちろん見た目も大事ですが、健康を考えると血管や骨、内臓の状態がとても大事です。建物でいうと、防水だったり給排水管だったり、といったところですが、コロナ禍でこういった設備の見直し機会が増えています。右側の表は一般的な建物の健康寿命ですが、入居者の在宅時間が増える中で、普段よりも建物の使用頻度が上がり、血管のつまりや内臓の痛みが表面化しやすくなっています。
工事の種類 | 目安時期 |
屋上防水 | 15〜20年 |
外壁 | 10〜18年 |
給排水洗浄 | 2〜5年 |
給排水交換 | 21〜30年 |
給排水交換 | 4〜15年 |
建物の健康を維持するポイント
左側は最近寄せられる問い合わせで多い、排水管トラブルのケースです。正常な排水管と詰まり等でのトラブルになった排水管を比べています。こう見ると、洗浄の前と後で排水管でも中身にだいぶ違いがあることがわかるかと思います。ぱっと見て、目につかない部分なだけに、人間ドックのように定期的な検査、状況把握が必要です。特にコロナ禍で在宅時間が長くなるということは、それだけ利用頻度が上がり、トラブルも増えやすくなる、ということです。
こういったことを踏まえたうえで、建物の健康寿命を維持するために意識すべきポイントは
- 物件のトラブル・クレームに敏感になる
- 主要箇所の診断を定期的に実施する
- 費用をかけられるうちに、メンテナンスにお金をかける
の3つです。大事な考え方は、①、②で早めに物件の状況を把握し、③物件が不健康になる前に、メンテナンスに力を入れる、ということです。人間でもそうですが、いざ手術、となると高額な治療費がかかりますが、事前の対策をすることで防げることも多いものです。ぜひこの機会に建物の健康寿命を見直してみてください。