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遺産分割協議に期限ができる!資産の未来を考えよう

いよいよ今年の4月から『所有者不明土地』問題の解消に向けた法律が段階的に施行されます。令和5年4月1日施行の改正民法では、遺産分割に期限が設けられる事となりました。遺産分割の精度が見直されるにあたって、ご家族の資産を考える機会にしていきましょう。

遺産分割協議に期限ができる!資産の未来を考えよう

遺産分割に期限が設けられる背景

実は所有者不明土地の7割が相続登記をせずに放置していることが原因といわれています。相続登記だけではなく、遺産分割協議がまとまらないままのケースも多いようです。現在の法律上は遺産分割に期限は設けられていないので、相続から何年たっても遺産分割協議はできます。ですが、協議が長期化、又は協議自体がなされないまま時間がたてばたつほど、特別受益や寄与分を主張する証拠も集まりづらくなり、協議がまとまりづらくなるのは想像に難くないでしょう。

結果として相続人が誰かもすぐにわからない、所在不明で連絡も取れない状態となり「所有者不明土地」が生じる、というわけです。こういったケースを鑑み、今回の制度見直しが行われることになりました。

遺産分割協議の期限は10年に!注意すべきポイント

4月から施行される改正民法では、遺産分割ができる期間自体に期限は設けられません。ただ相続開始から10年経過した後の遺産分割では、原則として法定相続によることとされます。これは、10年経過した後は特別受益や寄与分といった具体的な相続分による遺産分割を主張できなくなるということです。今回の改正により、この特別受益や寄与分を主張できる期間が10年に制限されることになります。

令和5年4月1日の施行より前に発生した相続にもこの新しいルールは適用され、過去の相続も対象となる、ということで気を付ける必要があります。

特別受益とは・・・寄与分とは・・・
被相続人から生前に多くの財産をもらっていた、などの特別な利益のこと。生前に財産をもらっていない相続人は、特別受益に配慮した公平な遺産分割をしたいと主張することができる。被相続人に一定の貢献をした相続人がいるとき、その貢献度に応じて特別に認められる持ち分

猶予期間もあり。早めの対応を進めましょう!

施行後の混乱を避けるための経過措置として、少なくとも改正法施行日から5年の猶予期間が設けられます。また、例外的に相続開始から10年を経過する前に相続人が家庭裁判所に遺産分割の請求をした時などには、引き続き具体的相続分により遺産分割をすることができます。今回の制度見直しは、『所有者不明土地をなくす』という方向性ですが、見方を変えると特別受益や寄与分を主張する権利を制限するものになる可能性があり、個人の利益を損なうケースも考えられます。ぜひこういった問題が起こりそうな場合は早めに対応を進めていただきたいと思います。

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