相続争いの一番の原因は?はここが変わった
相続でもめてしまう、一番の原因は何だと思いますか?
「うちは仲がいいからもめることはない」、「そんなに資産がないからもめようがない」と考えている方には思いがけないことかもしれませんが、一番の原因は、“不動産があること”です。もちろん自宅も不動産ですので、持ち家にお住いの方は相続でもめないための準備が必要といえます。なぜ不動産がることでもめてしまうのか、確認しておきましょう。
もめないための一番の対策は?分けるための準備!
上の図は、「遺産分割事件」として裁判所に持ち込まれた案件の内訳です。いかに「もめるかどうか」が資産額によらないことがわかるかと思います。つまるところ、もめるかどうかは、上手に分けられるかどうかです。お金であれば1円単位で平等に相続人に分けることができます。
では自宅も同じように、平等に分けることができるでしょうか?もしかしたら相続人同士で共有にする方法が思い浮かぶかもしれませんが、共有にするということはその不動産についての決定権が共有者全員にあることになり売却等をしたいときも、全員で意見を合わせて協力しながら進めなければなりません。
共有持ち分にも相続が発生するので、時間がたてばたつほど権利関係は複雑になっていきます。また、自宅以外にアパートを所有している場合もそうですが、それぞれ価値の違う不動産を平等に分けるのは難しくなってくると思います。
もめないための一番の対策は・・・遺言書を用意しておくこと
不動産があること以外にも、これまでの資金会陰所や介護に尽くしたり、事業を手伝ってきた相続人の相続分などでもめてしまうケースもあります。お金だけの問題で解決しない、親族間の関係性があります。それぞれの背景やご家族それぞれの理由があるものです。そしてそういった思いが相続で一気に吹き出してしまうと、争いとなってしまうでしょう。思い当たることがある場合には、対策を考える必要があります。
もめないための一番の対策は、やはり遺言書を残しておくことです。平等に分けることができない場合でも、「付言」で丁寧に理由や思いを残しておくことで、争いになるリスクを減らすことができます。
遺言書があってもなお不満が残る場合には、相続の方向性を相続人に事前に伝えておくことも考えましょう。遺言書の作成と合わせて生命保険を活用することもできますが、加入できる年齢に制限もあるので早めの対応が必要です。相続後も変わらずご家族のきずなをつなげられるように、相続も計画性をもって準備をすることが大事ですね。