都心部への人口流入弱まる不動産価格の高騰が原因か
コロナ以前では見られなかった東京都からの人口流出が、ここ数年話題になっていますが、最新の国内移動者状況はどうなっているのかお伝えさせていただきます。今後、みなさまが収益物件を購入される上でどのような戦略を取っていくべきか最新情報と照らし合わせてご覧いただければと思います。
まずは東京都への転入者状況です。東京都一極集中は近年の傾向ですが、コロナ以後も転入は続いています。しかし、転入の勢いは弱まっており、2021年には2019年の12.49%の水準まで下落しています。転入者も2年連続で下落、転出者は2年連続で上昇と東京都への転入超過下落の傾向はどちらからも読み取れます。
一方で下記グラフでは、2019年~2022年の移動者数が多い各年3月における転入超過状況の比較です。2021年から2022年にかけて転入超過数の増加が見られますが、2019年、2022年水準と比較するとまだ回復しているとは言えない状況です。
転入超過の下落傾向は、一つの要因として、円安の影響による外国人投資家の不動産物件購入が考えられます。
東京都中心部の物件価格は高騰していますが、諸外国都心部における物件価格よりも割安なことは多く、円安の影響も相まって外国人投資家による都心部のマンション物件の購入などが高騰の後押しとなっているのでしょう。
移動者の影響は賃貸経営に大きく影響するため、今後も目が離せません。本記事がオーナーの皆様における今後の経営戦略を積極的に考えるきっかけとなりますと幸いです。