賃料不払いでの明渡訴訟の流れと費用
オーナーを悩ませる賃料滞納の問題ですが、改めて手続きを確認しましょう。
よくあるご相談
「入居者が、賃料を支払ったり、支払わなかったり、といったことが続き、すでに数か月分もの滞納が生じているので、明渡しを求めたいが、時間や費用はどのくらいかかるのか」というご相談を受けることが少なくありません。
このような賃料不払いの場合には、賃貸借契約を解除し、明渡の裁判を行って退去を求めるのが基本的な流れです。ただ、明渡しの裁判を弁護士に依頼すると時間と費用がかかる、といって躊躇される方も少なくないと思います。具体的にはどのくらいの時間と費用がかかるでしょうか。
実際に明渡の裁判を行うと、どのくらいの時間がかかるのでしょうか?
個々の事案によりますので、あくまでも参考ですが、アパート・マンションの一室の明渡の場合ですと以下のような流れで進みます。
・滞納督促を理由に内容証明郵便で通知を送付し契約解除
・裁判所に明渡の訴訟提起(裁判手続)
・裁判所に明渡の強制執行の申立て
という流れで進みます。スムーズに進む場合でも5,6か月くらいかかります。もちろん、内容証明を送るだけで退去してくれれば早まりますし、反対に、なにかイレギュラーな事情があればもっと時間がかかります。このあたりはケースバイケースです。
明渡にかかる費用はどのようなものでしょうか?
大きくは、弁護士費用と裁判所へ収める費用があり、ワンルームの明渡しでも強制執行を実施すれば60〜120万円程度と説明されることが多いと思います。内訳は以下のとおりです。
① 弁護士費用 30万円から70万円程度
こちらは、法律事務所によっても異なります。内容証明を送付するのに何万円、訴訟を提起するのに何万円と段階的に費用がかかる事務所もあれば、まとめて何万円という費用設定の事務所もあります。
② 裁判所へ収める収入印紙、強制執行の申立費用 10万円程度
物件の評価額や裁判所によって異なります。
③ 強制執行の費用(荷物の搬出や保管等) ワンルームで20〜40万円程度
荷物の搬出や保管等の費用なので、部屋が多く荷物が多ければ多いほど費用がかかります。
裁判まで行わずに退去した場合、あるいは、裁判所での話合いに基づいて退去した場合には、上記の満額がかかるわけではありません。ただ、強制執行(強制的に荷物を搬出して立ち退かせる)まで手続が進むと、上記のような費用がかかるということは知っておきましょう。
では、費用や時間がかかるから明渡の裁判は行わない方がよいのか?
そうとはいえないと思います。5万円の賃料を1年間分滞納すれば、本来受け取れるはずだった60万円を失っており、これが続けばあっという間に明渡にかかる費用以上の損失を被ることになるからです。費用をかけても早めに退去していただき、賃料を支払ってくれる借主に物件に入っていただくことが重要です。
フロンティアホームの営業社員、事務員も「宅地建物取引士」ライセンスホルダーです。
宅地建物取引士12名 二級建築士1名 賃貸不動產経営管理士8名
相続支援コンサルタント1名 インテリアコーディネーター2名 マンションリノベーションアドバイザー1名